12.14-12.16 「植物図鑑」

植物図鑑

植物は、生物としても造形としても広く生活に浸透しています。

それら植物を種類ごとに集め編纂したのが「植物図鑑」であり、これによって現代の私たちは身近な植物をすぐに調べ、知ることが可能です。

昭和42年に保育社より発行された標準原色図鑑全集7ー 園芸植物の序文には、『平和が続き経済が発展すると、園芸人口はいちじるしく増加する。』という一文があります。現代においても園芸に伴う手間暇に思いを馳せると、この一文に実感を伴って同意できるのではないでしょうか。

植物に向き合い、生活に取り入れてきた歴史は、人間の発展の歴史でもあります。

人間を翻弄する植物の豊かさと戦い、どうにかコントロールする術を学んできた先人たちの蓄積は、いつしか物理的な恩恵と同時に視覚的な恩恵の獲得にも繋がりました。植物の豊かさに、造形的な美も見出すようになったのです。それが園芸、そして装飾や絵画のモチーフに取り入れるという行為の根源だと本展示では考えます。

こうした視点で植物を植える、知る、意匠を模る、誰かに花を送るといった行為を見つめてみますと、それらの行為は意識的にか無意識的にか、植物によって生活をより良く彩りたいという、豊かさへの祈りが込められているようにも見えてきます。植物図鑑を編纂するという行為にも、学術の発展という名の、豊穣への祈りが見えてくるのではないでしょうか。

私たちが作るのは図鑑ではなく絵画です。

より原始的な「植物を描く」というこの行為が何を意味する行為なのか、その根源に、祈りに各々が今一度立ち返って制作したのが、このグループ展であり、冒頭の園芸植物図鑑を少し拡張して捉えた「植物図鑑」という展示タイトルの由来になります。

図鑑を編纂するように、各々の視点で選定した植物作品をご覧いただければ幸いです。

[展示情報]
▪会期:2024年12月14日(土) – 12月16日(月)
▪会場:GALLERY33(A)
▪開館時間:11:00 – 19:00 (最終日17時まで)
▪住所:東京都杉並区高円寺北2-8-5
▪作家:芽々/朱沢愛華/髙志佳音