
「人が人として生きようとするとき、初めてそこに、真の美しさが立ち現れるのだろう。それならば寧ろ、いつまでも人間に慣れたくない、とすら思った。」
器用な人間が嫌いという、れっきとした僻みを未だ抱えたまま生きている毎日です。ただ、その僻みゆえに、屈折ゆえに、本当に美しいものは不器用さの先にだけあるのではないか、という一縷の望みにかけて日々を生きている節があります。そしてそれは、自分を自分たらしめる最大の価値観である、とも思っています。
この1年間を通して作ってきたものは、大抵が自己の内面に基づくものでした。自分の不器用さを不器用なまま形にする行為は、いつしかある種の自己肯定にもなっていきました。人間が下手な人間の方が、寧ろよっぽど人間をしている。でもやっぱりまだ人間にはなりきれぬまま、延々と過程を辿る。そこにある、自虐と屈折。それらを掬い上げて作ってきたポスター作品を、壁一杯に展示しようと思っています。器用な人間を目指していた日々を抜け出し、不器用なまま、不器用の先にある美を探す。不器用至上主義。
お時間ある方、ぜひお越しいただけると嬉しいです。
▪作家
鈴木竣介/suzuki shunsuke
2002年生まれ。名古屋市出身。
専門学校名古屋デザイナー学院を卒業後、上京。
現在は広告制作会社で働く傍ら、主に自己の内面を起点としたアートワークの制作を続けている。エレカシが好き。