
芥川 裕行 個展「Red Flowers.」
僕には憧れている存在がいる。子供だ。
子供の無邪気で無尽蔵とも思えるそのエネルギーには常々驚かされる。
大人はいつしか無垢な心を澱み切った堆積物で一杯にする。社会の順応を得意とし、利己的に難から逃れ卑しく固定観念で凝り固まった窮屈な存在を見事に完成させる。僕はそんなの窒息してしまう。
絵だって同様に技巧的で説明ったらしく綺麗ですね、素敵ですねなんて媚びた言葉のせいで一部の空間でしかないものになってしまう。
よく分からないけどこれが好き。なんか気持ち悪い。これだけで充分、上手く繕わなくて良い。この方がずっと良い。
余計な物は取っ払い簡素と孤独の魅力を知ることで本質的な心の喜びが生まれると僕は思っている。
真っ新な心を蔑ろにしてはいけない。
僕の絵によく出てくる花。
特定の花がある訳でもなく、ひたすらに抽象的。とにかく花。僕にとっての花。花。
みんなの花。
様々な形や色があって良い。
僕は赤色が好きだからRed Flowers.
独りじゃ無いからRed Flowers.
様々な面があるからRed Flowers.
僕の描く異形の生き物たちは僕であり、そして生きている。