
作品は手紙のようだ。時間をかけて作られては、ぼくたちの手元を離れ展示空間を彷徨う。その宛先はあなたかもしれないし、作者自身かもしれないし、過去や未来の誰かかもしれない。そしてそれは届くかもしれないし、届かないかもしれない。今展示は、そのようなネットワークのなかでどこかに届くことを待っている、または待っていた手紙たちが存在する空間としての展示である。返事が返ってきたときのみ、それが届いたのかどうかわかるのだろう。ポストはまだ空だ。今は、まだ。
▪作家
家入嘉寿馬/Ieiri Kazuma
1998 神奈川県生まれ
2023 多摩美術大学美術学部絵画学科日本画専攻在籍
デカルコマニーによって現れる、並行世界と現実の間を漂う幽霊を写真をもとに可能世界の絵画として制作している。
2021 グループ展「AREA×7」銀座中央ギャラリー
2022 Idemitsu Art Award展2022 国立新美術館
磯崎海人/KAITO ISOZAKI
1999 神奈川県生まれ
2023 多摩美術大学美術学部絵画科日本画専攻在籍
カメラや身体的な動き、視覚的な距離の作用を扱うことでパースペクティブを拡大し、自己自身との距離を見つめなをすことで、その中の共通項を模索している。
2021 グループ展「AREA×7」銀座中央ギャラリー
坪井ひびき/Hibiki Tsuboi
1996 千葉県産まれ
2023 多摩美術大学美術学部絵画科日本画専攻在籍
人形を通し、鑑賞者とそのヒトガタのの間に生まれるものに他者との関わり方の可能性を見い出し制作している。
2019 蒼い人形展2019
2020 蒼い人形展2020
第15回「人・形」展
2021 クラフトアート創作人形展
2022 第5回人形と絵の「春」展
第7回石本正日本画大賞展
渡部真衣/Uzuki Watanabe
1998 千葉県生まれ
2023 多摩美術大学美術学部絵画学科日本画専攻在籍
コンプレックスから発展したテーマとして自己イメージの不確かさとその可能性について制作している。