
立体と平面にかかわらず作品制作をする際は、あえて最初の目論見通りに作らないよう”途中で壊す=方向転換する”事を意識している。そうする事でイメージの硬直化を防ぐ事ができ、かつ即興的な制作が可能になる。着地点を決めずに、二転三転しながら作業を続ける事で、完成が近づく頃には自分でもなぜこの形体を選んだのかを忘れていたり結局もとに戻っていたり、無計画ゆえに途中からでは修正が難しい痕跡が残ってしまっていたりする。しかし私はあえて、自分の意図や思惑からなるべく離れた状況で、偶発的な痕跡を楽しみながら作品を作りたいのだ。
この度の正木美穂 個展[Well and Falls]では、このような工程を経て作られた、展示タイトルと同じ[Well and Falls](井戸と滝)と題された立体作品を中心に、すべて2023年完成の新作を展示する。
▪作家
正木美穂
2007 多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻油画研究領域修了
2005 女子美術大学芸術学部絵画科洋画専攻 卒業
2013 TWS-Emerging195 正木美穂個展“退屈な部屋”/TOKAS本郷
2004 トーキョーワンダーウォール都庁2003 月別展示・渡辺美穂展
2022「WATOWA ART AWARD 2022 EXHIBITION」WATOWA GALLERY
2017「SICF18」スパイラルホール
2015「渋谷のタマゴ」旧渋谷区庁舎
2014「 CORES +4人展 」ロイドワークスギャラリー
2013「 ART OSAKA 2013 」ホテルグランヴィア大阪
2012「 YOUNG ARTISTS JAPAN vol.5 」東京デザイナーズウィーク